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読書中心の生活へ

 はじめに

 これから、読書に関するブログをはじめます。今年、七十となります。現在、週三日アルバイトの仕事はしていますが、基本的には穏やかな老後を過ごそうと考えています。老後生活の中心に読書を据えたいと考えている人のために、なにかの参考になればとこのブログをはじめました。文中は、すべて敬称を略させていただきますので、ご了承ください。

 七十歳ともなると、持病をもっていない人は希であろう。筆者も、通風、糖尿、高血圧の三大成人病をかかえて医者通いをしている。朝食後、手のひら一杯の飲み薬を服用し、白内障の進行をとめる目薬を打つ毎日である。とりあえず穏やかな日々ではあるが、ボケの徴候におびえつつ、忍び寄る死神の気配をふと感じるときがある。日頃から、いろいろな人を見ていると、八十までは頭がはっきりしているようだ。じゃあ、あと十年、どうする?

 ここは、ひとつ、読書三昧はどうだろう?読書は、万一体が動かなくなってもできる。とはいえ、筆者は東京郊外の市に住んでいるが、家から歩いていける範囲に本屋はすでに存在していない。しかし、アマゾンなどを利用すれば、クリックひとつで欲しい本を家まで届けてくれ、品切れ、絶版本も手に入れることも可能である。さらに、図書館を上手に利用すれば、金もさほどかからない。筆者の家からも歩いていけるところに図書館はある。これから十年間、読書に精をだして、何冊まで読めるだろうか?年に300冊、十年で3000冊はいけるのではないか?ほぼ一日に一冊のペースだから、無理ではと考えてはいけない。基本、一日に三~四冊を同時並行に読み、それらをそれぞれ三、四日で読み終えるペースと考えてもらいたい(注1)。 そしてつまらなければ、読むのをやめてしまえばいいのである。面白くても、中断したままになることもあろう。それもまたよし、である。

まずは、気楽に構えていこう。

 ボケ防止には、重要項目がいくつかある。そのなかで、仕事がなくなった人が、朝起きて、今日何をするかが決まっていないというのが、一番いけないと、老いの大家たちは口をそろえる。何も決まっていないから、YouTubeだのSNSだの、はたまた地上波の食い物番組などを、ぼけっと見てしまうことになる。だが今日は、これを読もうと決まっていれば、自然と体は動く。では、読書三昧の生活とは、どのようなものになるだろうか?サマセット・モームの『読書案内』(西川正身訳 岩波文庫)に参考となるものが載っている。

 朝、仕事をはじめる前に、わたくしは、科学書なり、哲学書なり、新鮮で注意深い頭脳を必要とする書物をしばらく読む。それによってよき刺激をうけて、わたくしはその日の仕事にとりかかる。その後、仕事がおわり、気持ちはくつろぐが、激しい努力を必要とする精神活動はやりたくない気分になっているとき、わたくしは、歴史、随筆、批評、ないしは伝記を読む。夕方になると小説を読む。以上のほか、よみたい気分になったときの用意に、詩集を一冊いつも手近かなところにおいておく。」(p.40)

 モームの一日を参考に、自分流にアレンジしなおしてみると、「仕事」のかわりに「庭仕事」「散歩」「軽ハイキング」「買い物」「映画などの鑑賞」「創作活動」などを入れてみる。小説タイムには、ミステリー、ホラーなど自分の好みのジャンルがある人も多いだろう。さらに、筆者の場合は、「詩集」ではなく、歌集や句集となる。いや、七十すぎなら『戒老録』(曾野綾子)、『大往生』(永六輔)等を読んでから寝るのもよい。 しかしこれはあくまでも基本スタイルで、興がのれば、丸一日一冊に没頭してもよい。とはいえ、若い頃のように、朝からドストエフスキーやら源氏物語やらにとりくみ、何日も格闘するなどという芸当は、七十過ぎにはできかねるであろう。無理は禁物である。

 となると、午前中の「よき刺激」をうける本の選び方が問題となる。まずは、不朽の名著が頭にうかぶのではなかろうか?とくに、若い頃、読み損ねて気になっている古典のたぐいである。さきにあげた『源氏物語』のほかプラトンやアリストテレス、カントにヘーゲル・・・若き日の思い出と共によみがえる、読んでいなかった古典群の数々である。これらの書籍に手を出すのは、失敗のもとだと筆者は考える。では、どうする?つづきは次回に。

(注1)生涯何冊読めるかという類いの話は多いが、読むスピードについて具体的に書かれたものは少ないように思う。福原麟太郎の『読書と或る人生』(新潮選書 1967)にはこのことに触れている箇所がある(p.97) 福原によると、難しい理論の書なら、1時間に20頁ぐらいだという。例えば、これから、『福沢諭吉』(小泉信三 岩波新書210頁)『室町芸術と民衆の心』(亀井勝一郎 文藝春秋 270頁)『落花流水』(川端康成 新潮社320頁)の三冊に取りかかるとする。合計800頁、1時間20頁のスピードで40時間かかる計算となる。午前2時間、午後3時間の計5時間を読書にあてると、8日かかる計算となる。だが、川端の本は、老年の随筆であるから、飛ばせる箇所もあろう。一週間でこの三冊はこなせるのではないか。福原も一週間でいけると述べている。これに、好みの分野の小説等を週に二冊読むとすれば、一週間に五冊はいける。このペースで年間およそ260冊なので、3000冊には11年~12年かかることになる。だが、はじめてみるとわかるが、このペースはかなりゆっくりである。読書になれてくると、年間300冊は決して難しくないと感じることだろう。

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この記事を書いた人

今年70歳になります。ようやく、読書中心の生活に入れます。まずは、日本のロングセラーを読破します。3000冊はあくまで目安です。

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